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アニメ感想『ラブゲッCHU~ミラクル声優白書~』

アニメ『ラブゲッCHU~ミラクル声優白書~』が先月で終了。主人公の桃子のかわいらしさが際立っていたアニメでした。前髪パッツンで肩を出しつつ手首を長袖で隠してミニスカで太ももをぷりぷりさせるスタイルが自分の好みにぴったりでした。性格も好きでした。ダメな子ほどかわいい理論で。他人の携帯電話を無断でチェック、DVDを見ているうちに寝過ごして仕事に遅刻するなど、日常描写を積み重ねるごとにネジが抜けていくようでした。憧れの人との結婚を夢見ての業界入り、世間知らず、大声、大食い、話し相手のマスコットキャラなど、キャラ付けのすべてが、同じアイドルものである『きらりん☆レボリューション』のきらりの怪物性を下回っているのも高ポイントでした。大人なのに。

城に潜入してウグイス張りの廊下を踏んだら壁からウグイスが出てきて「ウグイス!」と鳴くなどのミラクルなエピソードが続くなかで、急にリアリティのある声優業界のようすが描かれた第12話「桃子、初仕事頑張っちゃいますっ!」、桃子が養成所の維持のためにユニットを結成する第13話「わたしたち、アイドルやりますっ!!」には本当に感動させられました。桃子が真っ当な社会人として仕事に責任感を持って活躍するなんて。声が大きいなんて文明開化以降はあまり役に立ちづらい特技しか無かった桃子が。「尼でありながら妹」な声優アイドルユニット「Sister×Sisters」のステージはギャグとして見るのが正しそうだけど自分にとっては感動的でした。ステージ上のとっさの機転に対応した演出が整っていたのが不思議だけど、舞台裏ではミラクルイベンター白書とでもいうべきドラマが繰り広げられていたのだと思います。

終盤は、桃子が国民的人気アニメ『スケラブ2』のオーディションに挑む展開。試練の中で桃子は自然と一体化して昆虫を集める境地に達し、自由演技のオーディションでは声の演技だけで観客を桃子時空に引きずり込めるほどの大声優へと成長していきました。桃子の影響で全ての登場人物が前向きな一歩を踏み出すラストはとても爽やかでした。アパートの住人たちはシリーズ序盤に紹介があったわりに最後までいっさい登場しなかったけど、描かれていない部分ではミラクル住人白書とでもいうべきドラマがあったのだと思います。

そんな桃子のサクセスストーリーの中盤、売れっ子になって自分のキャラクターそのままで演技をするようになった桃子に対して真栄田アタリが「お前の声しか聞こえてこない」と苦言を呈するのですが、これが自分にとっては唾棄すべき声優観でした。若いうちは下手に芸幅を広げようとせずに直球勝負で良いと思うのですよ。キャスティングするほうも活きの良さを買っているのだろうから。「自分の声」が見出せない人も多いのだから。選ばれた存在であるアイドル声優の勢いを身内の心無い一言で削ぐなと。結果的に、桃子がスランプを乗り越えたおかげで国民的人気声優になったから良かったようなものの。「声優を決めてからキャラクターを作る」という『スケラブ2』の監督の意向は真栄田アタリの考え方と相反するっぽいし、ラストのキスシーンも未遂に終わったし、最終回の番外編にはいっさい登場しなかったし、真栄田アタリはいいところが無かったな、ざまあ、と。

最終回は2本立てで養成所時代のエピソード。不法侵入や日記を勝手に読むなど相変わらずの反社会的行為を駆使する桃子たちでした。最後が番外編だと終わった気がしないです。「ミラクル声優白書」としてはあまりにもミラクルに完結してしまったけど続編を見たいです。人気声優の桃子が唐突に休業して世界一周の旅に出るとか、夢はいくらでも広げられそうです。

今月からラジオ番組『ラブゲッCHUラクルラジオ』の放送がスタートしました。落合祐里香さんの宇宙トークに坂本梓馬さんがついていってるのがおもしろいです。番組のテーマソングはもちろん「なないろなでしこ」。アニメの主題歌やCMソングとして半年間のうちに繰り返し繰り返し200回ぐらい流れた「へい! へい! やっちゃってー」というフレーズをこれからも毎週聞くことができるなんて。