ダウンロードソフト『グノーシア』。Switch 版が発売されるということで PS Vita 版の感想を書いておきます。Vita 版は2019年6月20日発売。Switch 版は2020年4月30日発売予定。2750円。絵も音楽も文章もシステムも良くて5800円ぐらいだったとしても満足できる内容なので全生命体が買うべきとおすすめできます。
人狼ゲームを題材にしたアドベンチャーゲームです。人狼ゲームとしての良し悪しはわかりません。人狼ゲームのシミュレーターを他にやったことがないしそもそも人狼ゲームをやったことも見たこともないので。そんな人狼ゲームに興味がない人でも楽しめるゲームです。序盤はチュートリアル的でプレイヤーは「疑う」「かばう」を選ぶだけ。ルールもキャラクターも段階的に増えていき、終盤は各キャラの能力が上がって特殊スキルの応酬になり個性も感じられるようになり、COM相手に議論している感覚を味わえます。
人狼ゲームを繰り返してループもののストーリーを進めていく構成。1ループは数分なのでテキストアドベンチャーゲームをやることすら面倒くさくなった人でも軽い気持ちで手を出せます。そして次第に明らかになっていくSF設定とキャラクターのヤバさで引き込まれていきます。
残虐な描写もありますがコールドスリープなどのSF設定のおかげでグロい感じはあまりありません。多くのループのなかの出来事なのでさらっと流せます。笑える話のほうが多いです。
1回のループごとに各キャラとは味方になったり敵になったりどちらかわからなかったり、命を賭けた濃い体験をすることになります。展開によっては好きって言われるイベントがあってギャルゲーを一本やり終えたぐらいの充実感を何度も得られます。どのキャラクターにも愛着がわきます。特にループの情報を共有するキャラとは戦友というか相棒というか、愛情を超えた友情のような気持ちが芽生えます。
構造が美しいゲームです。人狼ゲームをアドベンチャーゲームにした結果、選択肢を選んで好感度を上げ下げするアドベンチャーゲームのおもしろさを追及して余計な要素を取り除いたものが完成してしまった感じなのです。