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甲虫王者ムシキング 森の民の伝説 最終回

後付けっぽい設定が二転三転していくようすがエキサイティングだったムシキングもついに最終回。物語の舞台が星間移民の中継地点に過ぎないということがシリーズ中盤に明かされ、一気に壮大なストーリーになっていきました。最初のころは外来種問題から裏山を守る程度のスケールかと思っていました。

生命エネルギーを回収して星間移民船を発進させようとする悪役のアダーに対して、この星に留まろうとする主人公のポポ。ヒロインのパムは星間移民船の子だけどポポと一緒に暮らすことを選び、もう一人のヒロイン、星が生んだ新しい命であるセランはアダーを救うためにアダーと共に昇天するという落としどころでした。

自分はセランのことが過剰に好きなので、セランが物語の犠牲になったのはショックでした。マスコットキャラ的な虫っ娘として生まれ、謎の生き物だから自意識が確定せず、昆虫からのアプローチを全無視してソーマに憧れることでヒロイン性を獲得したけどソーマはマザコンだから向き合ってもらえず、終盤には服を脱ぎ捨てて変態し、唐突に世界を見たいと言って自分探しの旅に出て帰ってきたら治癒能力が無くなっているなんてダメ大学生みたいなことになり、最後には治癒能力が便利に復活、ダメ野郎なアダーに母性本能をくすぐられ、アダーを空に連れて行くことに生き甲斐を見いだす。シリーズ構成に振り回されたキャラでした。争いの無い世界をつくるために自分を犠牲にするなんておかしいだろう。セラン本人はそれで満足そうだから性質が悪いです。

正直、アダーがうらやましいです。セランに「私があなたの翼になります」なんて救いを与えられて、「まだ見ぬ空に実りを」なんて夢を与えられて旅立つ。そんな幸せに包まれたらおとなしくなるしかないです。自分が森の民だったらセランについていきます。「目的の空へはいけないと思うよ」とか言ってアダーを諭すポポの何が正しいのかわかりませんでした。一年シリーズを通して見続けてきたけど説得力を感じなかった。たぶん、テーマめいて語られている「生きてこそ」ということなのだろうけど。

旅の終わり、主人公の故郷の村へパムがやってくるエンディング。いっしょに暮らそうというパムの笑顔のかわいらしさを見て初めて、ポポの正しさ、森で生きることの素晴らしさに気付きました。やっぱり、アダーは間違っていたよ! アダーみたいな無業者気質で居てはいけなくて、ちゃんと毎日仕事をして暮らすべきだということ。森の民の面接。地に足を付けて大地に根を張って、家庭を持つのも良いということ。勤労に励めと。昆虫のように。