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ヨコハマ買い出し紀行 完結

人類がちょっと死滅してしまった世界で暮らすロボットのアルファさんの生き方を描いたマンガ、『ヨコハマ買い出し紀行』が完結。12年。算数が特に好きなわけではない自分が理系に進んだのはアルファさんのためだといっていい程度に好きな作品です。椎名へきるさんのラジオを聴く→ヨコ出しのラジオドラマを好きになる→月刊アフタヌーンを買うようになる、という流れです。

穏やかに死んでいく雰囲気の漂う作品でした。終盤の連載は1ページごとにざわざわさせられてまともに読んでいられませんでした。第139話とか本当にどうしようかと思いました。少ないテキストや余白や表情から各キャラの心情を想像して楽しむタイプのマンガなのですが、そうするとどうしても、アルファさんのことを「かわいそう」だと思ってしまうのです。話の風呂敷を畳みだして時間経過が早くなった終盤は特に。ドラマチックなイベントの描写があえて端折られた各話のあいだを想像してみると別れ話しか思い浮かばない。

それでもアルファさん本人的には楽しいのだろうけど。居場所であるカフェ・アルファが無くなっても問題ないことがわかっているし、どこかがぶっ壊れてミサゴみたいになったとしても生き方は変わらないのだろうし。でも自分はこれをほのぼのと読めるほど達観できませんでした。

アルファさんの行く末を考えるとアニメ『ギャラクシーエンジェルA』第9話「ぼったくりサラダバー」のウェイトレスロボのことが思い浮かんでしまうので困る。

先日発売された単行本の最終巻を読んでやっと落ち着きました。話は収束していったけど、別れだけでなく新しい出会いもいっぱいあったはずです。描かれたのはサエッタのみに絞られていたけど。子海石先生は居なくなったけど他にアルファさんを修理できる人が居てもいい。

そして最後。アルファさんとココネの壮大なラブストーリーだったと思えばこれ以上のハッピーエンドは無いです。第136話でのココネとシバちゃんの「これからも会おうね」というやりとりのなかにある決定的なすれ違いも、ココネが引っ越しを決意したきっかけになる前向きなエピソードだと思えてきました。アルファさんも第139話でオーナーのことを吹っ切ったというか受け入れたというか最初からわかっていたというか。

アルファさんとココネのふたりだけの暮らし。想像してみると強固すぎて付け入る隙がないです。