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ゲーム感想 PS2『びんちょうタン しあわせ暦』

びんちょうタンの清貧な暮らしを眺めるゲーム。ジャンルは「箱庭ゲーム」となっているけど、イベント時以外はびんちょうタン以外のキャラが画面に登場せず、箱庭社会が発展することは無いので箱庭シミュレーションというよりも鑑賞ソフトみたいな感じ。プレイヤーがしあわせを感じることが目的のゲーム。

ゲーム内の1日は実時間で約8分間。16日間経過するとゲーム終了。エンディングは10種類。イベントの達成度など無関係に、毎朝の選択肢でどのキャラに会いに行くかによって分岐するだけなので、工夫のしどころは無し。プレイヤーにできることは、びんちょうタンにお米を贈ったり、画面を揺らして「ひはー」と言わせることぐらい。エンディングを埋めたいだけなら放置プレイをするだけで終わります。

お仕事のミニゲームだけは異質でした。びんちょうタンがベルトコンベアの暴走に振り回されたりリスの大群にボコボコにされたりする姿はかわいそうを通り越して笑いがこみ上げてくるのでした。

そんな侘しい内容だけど、作品世界の雰囲気をシステムで再現したといえるので正しいです。ドット絵のパターンがそこそこ多いし、イベントリストやシーン回想機能があるので、キャラゲーとしては充分がんばっているレベル。イベントが終わって通常モードに戻るときにいちいちイベント開始時の立ち位置まで戻ることとか、いらいらする部分もあるけれど。

発売時期は延期が繰り返され、アニメの終了後しばらく経ってから。ユーカリたんやアベマキなどアニメに未登場のキャラが登場します。ゲームオリジナルキャラのまめタンは、れんタンのイベント内の1シーンで幽霊のように登場するだけでした。

各キャラとの親密度を上げていくとそれぞれのエンディングを迎えるわけですが、ユーカリたんの兄弟たちと一緒に焼き芋を食べておいしかったとか、あろえと川で泳いで楽しかったとか、どのハッピーエンドもハッピーさがささやかです。ひょんなことから大金持ちになって備長炭の代わりに金の延べ棒を頭に付ける展開もあるけど本人的には満たされない感じ。不憫な暮らしを見かねた大人に手を差し伸べられて孤児院に送られるエンディングはバッドエンドみたいな雰囲気。びんちょうタンにしてみれば、おばあちゃんの思い出が残る家と、友達と、お米さえあれば、それだけでしあわせだということのようです。

ハッピーエンドの在り方について考えさせられるゲームでした。幸せなんて本人の気の持ちようしだいなのですね。生活レベルを低く低く抑えれば、些細なことにも幸せを感じられるようになる。今の自分の暮らしもすでにハッピーエンドに到達した状態なのかもしれないです。今日もご飯がおいしいです。